<div>の使いすぎはNG? 意味のあるHTMLタグで書くべき3つの理由

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<div>の使いすぎはNG? 意味のあるHTMLタグで書くべき3つの理由


Webサイト制作をしていると、ついつい<div>タグを多用してしまいがちです。しかし、現代のWeb制作において、意味のある(セマンティックな)HTMLタグを使うことは、見た目を整えるだけでなく、サイトの価値そのものを大きく向上させます。

なぜ<div>タグを減らし、<header><article><nav>といった意味のあるタグを使うべきなのでしょうか? SEOを意識したWebサイトを作るために欠かせない、3つの理由を解説します。

1. 検索エンジンがコンテンツをより正確に理解するから

Googleをはじめとする検索エンジンは、Webページのコンテンツを正確に理解するために、HTMLの構造を解析しています。すべての要素を<div>でマークアップしてしまうと、検索エンジンは**「この<div>は何のために使われているのか」**を判断できません。

一方、セマンティックなタグを使うと、その部分がどのような役割を持つかを検索エンジンに明確に伝えられます。

  • <header>: 「この部分がページのヘッダー(導入部分)である」
  • <nav>: 「この部分がナビゲーション(目次やメニュー)である」
  • <article>: 「この部分が独立した記事やコンテンツである」
  • <footer>: 「この部分がページのフッター(まとめ)である」

このように、各要素の役割を伝えることで、検索エンジンはページの構造とコンテンツの重要度を正しく把握できます。結果として、SEO評価の向上につながり、検索結果で上位に表示される可能性が高まるのです。

セマンティックなタグとは?

セマンティックなタグとは、そのタグが囲むコンテンツがどのような意味や役割を持つかを明確に定義したHTMLタグのことです。

「セマンティック(Semantic)」は「意味的な」という意味を持ちます。

従来のHTMLでは、コンテンツの見た目を整えるために<div><span>といったタグが多用されていました。これらのタグは「単なる箱」であり、その中身が何であるか、どのような役割を持つかをコンピュータに伝える機能はありませんでした。

一方、HTML5から導入されたセマンティックなタグは、単にコンテンツを囲むだけでなく、そのコンテンツが持つ意味を機械(検索エンジンやスクリーンリーダーなど)に正確に伝えることができます。

主要なセマンティックなタグの例

タグ意味・役割具体的な用途
<header>ページのヘッダー(導入部分)サイトのロゴ、グローバルナビゲーション、キャッチコピーなど
<nav>ナビゲーション(主要なメニュー)グローバルナビゲーション、サイトマップ、パンくずリストなど
<main>ページの主要なコンテンツページの中核となる記事、商品情報、サービス内容など
<article>自己完結した独立した記事ブログの投稿、ニュース記事、フォーラムの投稿など
<section>関連するコンテンツのグループ記事内の章立て、特定のテーマのセクション、製品の機能一覧など
<aside>主要なコンテンツから派生した補足情報サイドバー、関連リンク、広告など
<footer>ページのフッター(結びの部分)著作権情報、連絡先、SNSリンク、フッターメニューなど
<figure>図やイラスト、写真などの画像グラフ、写真、コードブロックなど
<figcaption><figure>のキャプション(説明)図や写真のタイトルや説明文
<time>日付や時刻記事の公開日時、イベントの開催日時など

2. アクセシビリティが向上し、ユーザー体験が高まるから

Webアクセシビリティとは、年齢や障がいに関わらず、すべての人がWebサイトを利用できるようにするという考え方です。セマンティックなHTMLは、このアクセシビリティを大幅に向上させます。

例えば、目の不自由な方はスクリーンリーダーというソフトウェアを使ってWebサイトを読み上げます。このとき、意味のあるタグが使われていると、スクリーンリーダーはユーザーにコンテンツの役割を正確に伝達できます。

  • <div>でマークアップされたメニュー
    • スクリーンリーダー:「リンク、リンク、リンク……」と読み上げ、ユーザーは何のまとまりかわかりにくい。
  • <nav>でマークアップされたメニュー
    • スクリーンリーダー:「ナビゲーション。リンク、リンク、リンク……」と読み上げ、ユーザーは今メニューを操作していることを理解できる。

このように、セマンティックなHTMLは、誰にとってもサイトの構造を理解しやすくし、より快適なブラウジング体験を提供します。Googleはユーザー体験(UX)を非常に重要視しているため、アクセシビリティの向上は間接的にSEOにも良い影響を与えます。

3. チーム開発やメンテナンスがしやすくなるから

Webサイトは一度作って終わりではありません。多くの場合、チームで開発・運用され、長期にわたって更新・改善を繰り返します。

すべての要素が<div>タグで構成されていると、後からコードを読んだ人が**「この<div>は何の役割だ?」**と迷ってしまいます。クラス名やIDに頼るしかなく、コードの可読性が低下し、メンテナンスに時間がかかってしまいます。

一方、意味のあるタグを使えば、コードを見ただけで構造を直感的に理解できます。

<div class="header">
  <div class="nav-menu">
    ...
  </div>
</div>

<header>
  <nav>
    ...
  </nav>
</header>

ご覧のように、セマンティックなHTMLは、誰にとっても分かりやすく、管理しやすいという大きなメリットがあります。これは、開発効率の向上だけでなく、バグの発生を減らすことにもつながります。

まとめ

Webサイトは、見た目が美しいだけでなく、その構造が正しく整理されていることが重要です。<div>タグを闇雲に使うのではなく、そのコンテンツが持つ役割を考えて適切なタグを選びましょう。

セマンティックなHTMLは、Webサイトを検索エンジンに評価されやすくし、ユーザーフレンドリーにし、メンテナンスを容易にします。これからWebサイトを制作する際は、ぜひ「意味のあるタグ」を意識してみてください。

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